開教使と開教寺院

寺院・神社

「開教使」という言葉をご存じでしょうか?

日本では”宗教”という言葉に否定的な印象を持つ方も多く、「開教使」という言葉もあまり耳にすることもありませんが、「開教使」とは、(宗祖の)教えが行き届かない場所へ教えを開く方を指します。
当然キリスト教やイスラム教でも伝道に務めている方も多いのですが、今回は既成仏教の中で「開教使」について考えてみたいと思います。
日本の仏教の中でも、一般の家庭に生まれながら僧侶になりたいという方は数多くいらっしゃいます。当然ながら、お寺で生まれた訳ではありませんので、どこかのお寺に弟子入りして僧籍を取得、修行に励んでおられます。
そうした方たちの中で、縁に恵まれて住職のいなくなったお寺を継ぐ方たちもいらっしゃいますが、そうでない場合には本山等とも相談の上、新規に寺院(一般に教会)を開設して布教に務めておいでです。

新規に寺院を開設しますので十分な財を持たず、一軒家を借りて始めることが一般的です。
皆さんのお住まいにも、一軒家に「○○宗○○教会」だとか「△△宗△△寺」と看板だけ掲げられた建物を目にすることがあるのではないでしょうか?
そうした寺院を「開教寺院」と呼びます。
開設したばかりですから、当然十分な檀家さんはなく、財政基盤はおろか財も有していません。
また、寺院開設にあたって宗教法人の登記も必要ですが、宗教法人登記も商業法人と異なり、気の遠くなるような審査期間を要しますので、宗教法人としての登記が完了していない寺院もあります。

大きさは決して十分とは言えない開教寺院であっても、必ずご本尊があり、また法縁(仏の教えを授けてくれた親)等から授かった書き物などが綺麗に揃えられています。また、「△△寺」と”寺”を名乗っている場合、宗派の本山から寺号許可を得ています。

既存の大きなお寺の本堂で教えを授かるのも大切なことですが、開教寺院で面と向かって(仏)法の教えに耳を傾けると、仏教の新しい息吹や取組を感じられるかもしれません。

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